倭マン's BLOG

くだらない日々の日記書いてます。 たまにプログラミング関連の記事書いてます。 書いてます。

Fate / Zero

最近アニメが開始された『Fate / Zero』、原作を読んでみた。

アニメでは初回1時間でそれぞれの参加者のルーツをそれなりに詳しく紹介してましたが、それでもキャラがカブってる何人かはあやふやなままだったんですが、原作を読み返すと改めて各登場人物のキャラ設定やルーツなどが分かってスッキリ。 結構、アニメの中では明示的に示されてない設定や心の動きなども原作には書かれてて良かったです。 まぁ逆に、アニメの予備知識なく原作読んでも、それはそれでカブってるキャラの見分けがつきにくかったかも知れませんが。

原作を読んで改めて「アニメ凝ってるなぁ」と感心させられるところもいろいろありますが、やっぱりバトルシーンのカッコよさは生唾モノ。 宝具による必殺技なんて溜まりませんなぁ。 まぁ今のところ、ガッツリと宝具使ったのはアーチャーの「王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)」だけですが(ランサーやライダーもチラホラ使ってたっけ?)、今後の宝具全開のバトルが今から楽しみ。 ちなみに、原作のバトルシーンも活字にしては読みやすかった気がします*1

ストーリー的には、ゲームや OVA で既に発売されている『Fate / Stay night』に至る物語ということになっていて、1巻のあとがきに著者の虚淵玄(うろぶちげん)氏が「おそらく最終巻を読み終えた後には、どうしようもなく満たされぬ飢餓感が残ることだろう」と書いていたので、もしかしたらむりやり辻褄を合わせようとこじつけのような結末が待っていたりするのでは?と不安に(というか覚悟して)読んでたんですが、そんな心配は全く無用だったようで、この6冊だけでも話が充分に完結しております。 むしろ「Stay night」よりも完成度が高いんじゃね?と「Stay night」を見たことない分際で言ってしまいたくなるくらい(笑)良かったです。 「Zero」に登場しているキャラのうち、誰がどういう風に「Stay night」に(再)登場するのかは知りませんが、逆にそれを知らずに「Zero」を読んだ方が最終的なバトル結果が分からず面白いんじゃないでしょうか。 「Zero」も「Stay night」も知らない方は「Zero」から読んでみるのも一興。

Fate/Zero(1) 第四次聖杯戦争秘話 (星海社文庫)

Fate/Zero(1) 第四次聖杯戦争秘話 (星海社文庫)


Fate/Zero(2) 英霊参集 (星海社文庫) Fate/Zero(3) 王たちの狂宴 (星海社文庫) Fate/Zero(4)散りゆく者たち (星海社文庫) Fate/Zero(5)闇の胎動 (星海社文庫) Fate/Zero(6)煉獄の炎 (星海社文庫)

ちょっとネタバレ


さて、これ以降はちょっとネタバレするかも。 「Fate」では過去の英雄の英霊であるサーヴァントが超人的な力をもってバトルを繰り広げるのが醍醐味ですが、それでも「Zero」のストーリー的なメインは、マスターである衛宮切嗣(えみやきりつぐ)と言峰綺礼(ことみねきれい)の戦略的な、そして最終的には直接のバトルでしょう。 衛宮切嗣言峰綺礼はどちらも「暗躍」という言葉が似合うようなキャラ*2ですが、そのキャラが最終的には全く正反対の所から来てるってのがナカナカ深い。 ちなみに、「Zero」の最後で衛宮切嗣の養子になった衛宮士郎(えみやしろう)が「Stay night」で主人公になるようですが、衛宮切嗣と士郎も別の意味で正反対のキャラ立ちになってます。 こちらは根本が同じだけど、一見正反対な性格に見えるって感じですが。

で、これら2人とそのサーヴァントたち以外は単なるストーリー上の噛ませ犬かというとそんなことはなく、個性的なマスターやサーヴァントが登場します。 特に、主人公のサーヴァントである騎士王アーサー(アルトリア)(こっちが主人公とも言えるけど)の他に「王」を名乗る、英雄王ギルガメッシュ征服王イスカンダル(アレクサンダー)はキャラも宝具のパワーも抜きん出ております。

征服王イスカンダルは爽快な豪快さがウリの征服王。 テイスト的にはワンピースのルフィみたいな、その場のノリでなんとかしていくって感じのキャラだけど、なんというか信念の有り様が非常に魅力的。 「カリスマ」なんて言うと完全に役不足。 正に「」という名に相応しい征服王。 で、ひょんなことから(?)イスカンダルのマスターになったひ弱な魔術師ウェイバーが、結構ベタに影響を受けて成敗戦争後に自分の道を切り開いていこうと決心するまでになっちゃいます。 うーん、ベタだ(笑) ベタだけど心にグッときた。 これは「ウェイバーの成長の物語だ!」と言いたくなるほどに。

もう一人の王、英雄王ギルガメッシュは自分の欲望に正直な、独善的な王。 でも、自分や人間の欲望を誰よりも深く理解していて、言ってることが一々的を射ていて腹立たしい(と思ったのは拙者だけ?)。 言峰綺礼が彼の言にはつい耳を傾けてしまうというのも仕方なし。 というか、著者の虚淵玄スゲー。

これら3人が一堂に会して論を交わす「聖杯問答」もナカナカ読み応えありました。 アニメでは声優さん方の演技力・表現力が問われる場面。 楽しみにしておきましょう。

ところで、前日譚を後から出すシリーズにありがちなことですが、たぶん「Stay night」と比べて「Zero」の方が宝具の威力すごいよね? 特に「王」を名乗るサーヴァントは「そんなんアリ?」って宝具。 まぁ、その威力は原作を参照してもらうことにして、宝具の名前だけ挙げときましょう。 スキルも一緒に。

サーヴァント 宝具・技 スキル
【セイバー】
騎士王
アーサー・ペンドラゴン
インヴィジブル・エア
風王結界

ストライク・エア
風王鉄槌

エクスカリバー
約束された勝利の剣

アヴァロン
全て遠き理想郷
騎乗
魔力放出
【アーチャー】
英雄王
ギルガメッシュ
ゲート・オブ・バビロン
王の財宝

かいりけん  エヌマ・エリッシュ
乖離剣   天地乖離す開闢の星

エルキ・ドゥ
天の鎖*3
単独行動
【ライダー】
征服王
イスカンダル
ゴルディアス・ホイール
神威の車輪

アイオニオン・ヘタイロイ
王の軍勢
騎乗
【ランサー】
輝く貌
ディルムッド・オディナ
ゲイ・ジャルグ
破魔の紅薔薇

ゲイ・ボウ
必滅の黄薔薇
【キャスター】
聖なる怪物*4
ジル・ド・レェ
プレラーディーズ・スペルブック
螺湮城教本
陣地作製
【アサシン】
山の長老
ハサン・サッバーハ

気配遮断
【バーサーカー】
湖の騎士
サー・ランスロト
アロンダイト
無毀なる湖光
偽装*5

第6巻最後の解説を読むまで知らなかったんですが、著者の虚淵玄氏はあの『魔法彼女まどか☆マギカ』の脚本書いた人だったんですねぇ。 言われてみれば、「切嗣の聖杯への願い」と「まどかの魔法少女になるときの願い」には通ずるものがある気もする。 ない気もする。

ところでこの本、難点は漢字が結構ムツカシイところ。 一応、最初に出てきたときはふりがなが振られてますが、どうも1回出てきただけだと読めないような漢字がしばしば出てきてちょっと困りました。 読みが分かれば意味がわかるけど、字面だといまいちイメージが出てこないような言葉が多くて、逆に気になってしまう漢字が多かった。

メモ


漢字の読み

  • 弁える(わきまえる)
  • 悼む(いたむ)
  • 衒い(てらい)
  • 縋る(すがる)
  • 忸怩(じくじ)
  • 窶れた(やつれた)
  • 佇立(ちょりつ)
  • 禿頭(とくとう)
  • 湛える(たたえる)
  • 顰める(ひそめる)
  • 詰る(なじる)
  • 悉く(ことごとく)
  • 阿諛追従(あゆついしょう)
  • 亘る(わたる)
  • 蟠る(わだかまる)
  • 忝い(かたじけない)
  • 燦然(さんぜん)
  • 滾らせる(たぎらせる)
  • 一髪千鈞(いっぱつせんきん)
  • 希う(こいねがう)
  • 銃把(じゅうは)
  • 欣喜雀躍(きんきじゃくやく)

キーワード的なの

  • ト・フィロティモ 彼方にこそ栄え在り
  • ヴィア・エクスプグナティオ 遙かなる蹂躙制覇
  • アンリマユ この世全ての悪

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*1:戦闘シーンが全然イメージできないラノベとかあるからねぇ。 これ、単なる読解力の無さかも知れないけど、そもそも、細かな体捌きとかを活字で書かれても普通分かんないと思うんだよねぇ。

*2:アニメの最初でキャラがカブってて分かりにくかったのはこの2人。

*3:宝具との明示はなかったので、宝具ではないかも。

*4:モンストル・サクレ

*5:バーサーカーのスキルではない