倭マン's BLOG

くだらない日々の日記書いてます。 たまにプログラミング関連の記事書いてます。 書いてます。

仮面ライダービルドの話数を導く数式 第1話 ~ 第12話

本編が既に30話を超えてるこの時期に今更のエントリー。

 { 1010^0 = 1 } 話 ベストマッチな奴ら
(0以外の)どんな数字も0乗すれば1。 基数の 1010 は「戦兎」から来てるんですかね?

 { F_{-n} = (-1)^{n+1}F_n \Longrightarrow F_3 = 2 } 話 無実のランナウェイ
こういうところで唐突に出てくる  { F_n }フィボナッチ数列でしょうか。  { F_3 = 2 } からもそう予想されます。 与式はフィボナッチ数列を負のインデックスに拡張する式ということになりますね。 実際、 { n } を正の自然数として  { F_{-n} = (-1)^{n+1}F_n } と定義すれば、フィボナッチ数列の漸化式  { F_{n+1} = F_n + F_{n-1} } から

  { \displaystyle\begin{align*}
  F_{-n+1} = F_{-n} + F_{-n-1}
\end{align*}}

が導けて、負のインデックスの場合でも同じ漸化式が成り立つことがわかります。 ついでに与式で  { n=0 } として  { F_0 = 0 } も自然に出てきます( { F_1 = 1 } など、他にもう1つ条件が必要ですが)。 

ちなみに、このフィボナッチ数列の具体的な値は以下のようになります:

 { n } -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6
 { F_n } -8 5 -3 2 -1 1 0 1 1 2 3 5 8

この表を見れば、確かに与式の定義通りにすれば負のインデックスの場合でもフィボナッチ数列の漸化式を満たしていることが分かります。

 { \dfrac{2^n+1}{n^2} \in \mathbf{N} \Longrightarrow n = 3 } 話 正義のボーダーライン
 { \displaystyle \frac{2^n+1}{n^2} }自然数となるなら  { n = 3 }。  { n = 3 } なら与式が自然数であることは簡単に分かるけど、それ以外に与式を自然数にする  { n } がないことは証明が必要。 これは常人でも頑張ればできるものなのか、どこかの数学分野で知られた難問みたいなものなのかは不明。

 { \displaystyle \max_{G : \mathrm{planer}} \chi(G) = 4 } 話 証言はゼロになる
 { \chi(G) } はグラフ  { G } を塗り分けるのに必要な色の数です。 「グラフを塗り分ける」というのは、簡略して言うと世界地図で隣り合う国が異なる色になるように色を割り当てていくということを言います。 与式は「平面上の地図を塗り分けるのに必要な色の数は最大4色」という四色定理を表しています。

 { \displaystyle \DeclareMathOperator*{argmin}{\arg\min} \argmin_n \left[\mathbb{S}_n \not\in \left\{\text{solvable}\right\}\right] = 5 } 話 危ういアイデンティティ
対称群  { \mathbb{S}_n } が可解群 (solvable group) でない最小の  { n } は5。 対称群  { \mathbb{S}_n } (普通に  { S_n } と書くことが多いと思うけど)とは  { n } 個のものを入れ替える置換がなす群です。  { n } 次方程式の解に置換を施してあーだこーだするガロア理論を使うと、4次方程式までは四則演算と平方根で書ける解の公式があるけど、5次方程式にはそのような解の公式が存在しないことが導けます。

ちなみに、5次以上の方程式でも17次方程式などでは解の公式が存在するそうで。

 { \dfrac{\pi^2}{\displaystyle \sum_{n=1}^\infty n^{-2}} = 6 } 話 怒りのムーンサルト
そこかしこに名前が出てくるオイラーが、バーゼル問題に関連して導いた、(それなりに)有名な公式

  { \displaystyle\begin{align*}
  \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2} = \frac{\pi^2}{6}
\end{align*}}

を変形したもの。 自然数の自乗の逆数を足していくと円周率(の自乗)が出てきちゃうという式。

 { \displaystyle \max_{G : \mathrm{torus}} \chi(G) = 7 } 話 悪魔のサイエンティスト
第4話の四色定理の式と似ていますが、今度はトーラス上に書かれた地図に対する式。 トーラス (torus) とはドーナツや浮き輪の表面でよく例示される2次元曲面です。 トーラス上に書かれた地図を塗り分けるには、平面の場合よりも多い7色が必要。

Wikipedia四色定理)によると、種数  { g } の閉曲面上に書かれた地図を塗り分けるには  { \lfloor\frac{7+\sqrt{1+48g}}{2}\rfloor } 色必要だそうで( { \lfloor x \rfloor } { x } 以下の最大の整数。 ガウス記号  { [x] } と同じ)。 トーラスは  { g=1 }、平面は  { g=0 } *1

 { \DeclareMathOperator*{argmax}{\arg\max} \displaystyle \argmax_{\begin{matrix}n \\[-2mm] z:\mathrm{bilinear}\end{matrix}}\left[\sum_{i}^nx_i^2\sum_{i}^ny_i^2 = \sum_{i}^nz_i^2\right] = 8 } 話 メモリーが語りはじめる
うーむ。

 { x-y = 1\, \left(x,\,y \in \left\{m^n\right\}\right) \Longrightarrow x = 9 } 話 プロジェクトビルドの罠
 { m^n } の形で書ける  { x,\,y } { x - y = 1 } を満たすものは、 { x = 3^2 = 9,\,y = 2^3 = 8 } だけという式( { m,\,n } に1を入れてもあまり興味の無い解しか出てこないので、 { m,\,n } は2以上の自然数としていいでしょう)。 カタラン予想という問題だそうで、既に証明済みとのこと。

 { \displaystyle \sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n^3(n+1)^3} + \pi^2 = 10 } 話 滅亡のテクノロジー
これは第6話で出てきたバーゼル問題に関連するオイラーの公式  { \displaystyle \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^2} = \frac{\pi^2}{6} } と同類の公式

  { \displaystyle\begin{align*}
  \sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n^3(n+1)^3} = 10 - \pi^2
\end{align*}}

を変形したものです。 この公式自体もオイラーが導いた公式から導けます。 この導出は(無限級数の収束に目を瞑れば)高校数学のレベルなので、興味のある方はどうぞ。 以下の公式を証明して使えば出そう:

  { \displaystyle\begin{align*}
  &\sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n^2(n+1)} = \frac{\pi^2}{6} - 1, & 
  &\sum_{n=1}^\infty\frac{2n+1}{n^2(n+1)^2} = 1 \\[4mm]
  &\sum_{n=1}^\infty\frac{1}{n^2(n+1)^2} = \frac{\pi^2}{3} - 3, &
  &\sum_{n=1}^\infty\frac{3n^2 + 3n+1}{n^3(n+1)^3} = 1
\end{align*}}

 { \lfloor 1.30637\cdots{}^{3^2} \rfloor = 11 } 話 燃えろドラゴン
床関数  { \lfloor x \rfloor } { x } 以下の最大の整数で、ガウス記号  { [x] } と同じです。  { 1.30637\cdots } はミルズの定数で、任意の(正の)自然数  { n } に対して

  { \displaystyle\begin{align*}
  \lfloor A^{3^n} \rfloor
\end{align*}}

素数となる  { A } として定義されます。 与式は  { n = 2 } のときに上式が素数11になることを示しています。

いくつかの  { n } について値を書き下すと

  { \displaystyle\begin{align*}
  \lfloor A^{3^1} \rfloor &= 2, &
  \lfloor A^{3^2} \rfloor &= 11, &
  \lfloor A^{3^3} \rfloor &= 1361
\end{align*}}

となります。 すでに1361が素数なのかどうかがぱっとは分からないですが(笑) ちなみに、1361を計算する時点で、ミルズの定数の値が小数点以下5桁では足りないですね。

 { -\dfrac{1}{\zeta(-1)} = 12 } 話 陰謀のセオリー
リーマンの  { \zeta } 関数(ぜーたかんすう)  { \zeta(s) } { -1 } での値

  { \displaystyle\begin{align*}
  \zeta(-1) = -\frac{1}{12}
\end{align*}}

を表す式を変形したもの。  { \zeta(s) } の定義式が

  { \displaystyle\begin{align*}
  \zeta(s) &= \sum_{n=1}^\infty \frac{1}{n^s} \\
               &= 1 + \frac{1}{2^s} + \frac{1}{3^s} + \frac{1}{4^s} + \cdots
\end{align*}}

であることから、 { s = -1 } とおくと

  { \displaystyle\begin{align*}
  1 + 2 + 3 + 4 + \cdots = -\frac{1}{12}
\end{align*}}

となって、自然数全ての和が負の値になって不思議だなぁという式。 実際には、上記の定義式は  { s } (の実部)が1より大きい場合にしか収束せず、それ以外の  { s } の値に対しては解析接続を行って定義を拡張しているので、上記の自然数の和が  { -\frac{1}{12} } になるというのは間違いと言っておいた方がいいでしょう。

【追記】

  • 第9話がカタラン予想の方程式であることを追記しました。

仮面ライダービルド Blu-ray COLLECTION 1

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*1:平面は閉曲面ではないけど、無限遠点を加えれば適用可能にできます。 地図で言えば海を1つの国とみなすみたいなものと言えばいいんでしょうか。