REPL (Read-Eval-Print Loop) の高機能版といえる Jupyter Notebook は、Python でデータサイエンスをやろうというユーザには必須なツールかと思いますが、ブラウザ上で使うのが個人的にどうにも性に合わないので、VS Code (Visual Studio Code) 上で Jupyter Notebook が使える環境を構築する方法を見ていきます。 基本、Windows ユーザ用です (Windows 11)。
VS Code をインストールする
VS Code をインストールするには- ブラウザで VS Code のサイトのトップへ行く
- 「Download for Windows」ボタンからインストール用の EXE ファイルをダウンロード
- EXE ファイルを実行して、適当なフォルダにインストール
でOK。 もしくは
- Microsoft Store で「VS Code」もしくは「Visual Studio Code」で検索してインストール
の方が、ブラウザを使わず手軽にインストールできるかもしれません(自分では試してないけど)。
Anaconda をインストールする
データサイエンスで Python を使う際には、Python 単体で使うより Anaconda をインストールする方が普通のようなので、ここでもそうします。- ブラウザで Anaconda のサイトのトップへ行く
- 「Download」ボタンからインストール用の EXE ファイルをダウンロード
- EXE ファイルを実行して、適当なフォルダにインストール(以下で書くように PATH の設定をしよう!)
Anaconda のインストールは結構時間がかかるので、気長に待ちましょう。
環境変数 PATH の設定
VS Code 上で Jupyter Notebook を使うための設定で、ほんの少しだけかかる余計な手間は、VS Code が Anaconda (というか、その中の Python)を見つけられるように、インストール時に PATH の設定を行うことです。 Anaconda のインストール用の EXE ファイルを実行すると、以下のような「環境変数 PATH を設定するかどうか」を問うダイアログが出てきますが
チェックを入れて環境変数 PATH に Anaconda (とそのライブラリ等)が設定されるようにしておきましょう。 別の Python をデフォルトで設定している等の理由で PATH 設定をしたくない場合は、ここでのチェックを入れずに、VS Code 内で設定しましょう(たぶんできるハズ)。
設定される PATH の値
上記のチェックを入れ忘れて Anaconda をインストールしてしまっても、後から自分で設定できます。 ただしチョット面倒ですが。環境変数の設定方法は詳述しませんが
で出てくる「○○のユーザー環境変数」で設定できます。
まずは環境変数 ANACONDA3 を新規に作って、Anaconda をインストールしたフォルダへのパスを設定します。 Anaconda のインストール・フォルダを特に変更せずにインストールした場合は「C:\Users\《ユーザ名》\anaconda3」です。
次に、環境 PATH に以下の値を追加します:
%ANACONDA3% |
%ANACONDA3%\Library\mingw-w64\bin |
%ANACONDA3%\Library\usr\bin |
%ANACONDA3%\Library\bin |
%ANACONDA3%\Scripts |
これでOK。
Jupyter Notebook の VS Code 拡張機能をインストールする
VS Code と Anaconda がインストールできたら、VS Code を起動します。 VS Code の使い方は詳述しませんが、新規の Jupyter Notebook ファイルを作成(単に拡張子が「.ipynb」のファイル、たとえば「sample.ipynb」)するか、既存の Jupyter Notebook ファイルを開くと、拡張子に応じてインストールした方がいい VS Code の拡張機能がリコメンドされるので、適度にそれらの拡張機能をインストールしましょう(自己責任!)。Jupyter Notebook の使い方
VS Code の拡張機能がインストールできたら、エディタ部分に表示されているコード入力欄に Python コード、例えばprint('Hello, world!')
と入力して「Shift + Enter」で実行してみましょう。 その Notebook の一度目の実行は時間がかかりますが、実行が成功すれば、「Hello, world!」と表示されて、次のコード入力欄が新規に作成されます:

自分の環境だけかもしれませんが、一度目の実行は処理が重いせいか、他のアプリを立ち上げた状態で行うとしばしば失敗するので、そういう場合は「Ctrl + Enter」でそのコード断片を再実行します。 何度実行しても失敗してしまう場合は、上記画像の右上の「base (Python 3.9.13)」となっているところがきちんと設定されているかなどを確認してください。
正直、自分もまだ使い始めて間もない初心者なので、ここで書いた設定だけではうまく動かない環境もあるかと思いますが、自分で解決してネ。