前回までで、IDEA や Eclipse 上で Android プロジェクトの開発環境を整える方法を見てきました。 ただ、IDE とエミュレータを同時に起動しておくと結構 CPU コストがかかってイライラするので*1、今回はそれらの IDE ナシで開発を行える環境のセットアップ方法を見ていきます(一覧)。 以下の話は全て Windows 上での説明です。
記事概要
- ツールのインストール
- プロジェクトの作成
- エミュレータの設定と起動
- プロジェクトの実行・アンインストール
参考:
ツールのインストール
まずは使用するツールのインストール。 必要なのは
です。 JDK 6 と Android SDK は IDE を使うかどうかに関係なくインストール必須。 IDE を使わない場合は、加えてビルドツールとして Apache Ant (以下、Ant)をインストールする必要があります(1.8 以上)。 Ant のインストールは、アーカイブをダウンロードして適当なフォルダに展開するだけです。
ビルドやディプロイはコマンドラインから行うので、以下の環境変数を設定しておく必要があります:
環境変数 | 値 |
---|---|
JAVA_HOME | JDK 6 のインストール・フォルダ(bin, lib, jre フォルダなどがあるフォルダ) |
ANDROID_HOME | Android SDK のインストール・フォルダ(tools, platform-tools フォルダなどがあるフォルダ) |
ANT_HOME | ANT のインストール・フォルダ(bin, lib フォルダなどがあるフォルダ) |
PATH | 以下の値を追加(セミコロン(;)で区切って1行で) %JAVA_HOME%\bin %ANDROID_HOME%\tools %ANDROID_HOME%\platform-tools %ANT_HOME%\bin これは Windows の場合です。 |
プロジェクトの作成
次は Android プロジェクトの作成。 プロジェクトの設定は以下のようにしましょう(例によって『初めてのAndroid 第3版』を参考にしてます):
プロパティ | オプション | 値 | 必須 |
---|---|---|---|
name | -n | HelloAndroid | No |
target | -t | android-10 | Yes |
path | -p | HelloAndroid | Yes |
package | -k | org.example.hello | Yes |
activity | -a | Hello | Yes |
コマンドラインからプロジェクトを作成するには「android create project」コマンドを実行する必要がありますが、設定を行うオプションがたくさんあるのでちょっと面倒:
android create project -n HelloAndroid -t android-10 -p HelloAndroid -k org.example.hello -a Hello
path の値を「HelloAndroid」としているので、コマンドを実行しているフォルダに「HelloAndroid」フォルダが作成され、そのフォルダ下にプロジェクトのソース、リソースが作成されます。
target の値は API レベルに対応する文字列を指定します。 これは以下のコマンド
android list targets
を実行すれば確認できます。
エミュレータの設定と起動
次はエミュレータの設定と起動。 これは「Android SDK and AVD Manager」から行います。 これらは IDE からも起動できたので、そこで使い方を少し説明していました。 ここでは IDE を通さずに起動する方法などを見ていきます:
- 「Android SDK and AVD Manager」の起動
- エミュレータの設定 (以前の記事の『「Android SDK and AVD Manager」から設定する』の箇所を参照)
- エミュレータの起動
「Android SDK and AVD Manager」の起動
「Android SDK and AVD Manager」は
[スタート] → [すべてのプログラム] → [Android SDK Tools] → [SDK Manager]
もしくはコマンドライン上から、以下のコマンド
android
を実行することで起動できます。
エミュレータの起動
エミュレータは以下のようにして起動できます:
起動し終わったら「Android SDK and AVD Manager」は閉じて構いません。
プロジェクトの実行・アンインストール
ant install
最後はプロジェクトの実行。 Android プロジェクトは作成した時点で Ant のビルドファイル build.xml を自動で生成してくれているので、Ant がインストールされていれば実行は簡単です。 プロジェクトのルートフォルダ上(build.xml ファイルがある)でコマンド
ant install
を実行するだけです。
adb logcat
プロジェクトの実行自体は上記のコマンドでできますが、標準出力やデバッグ情報などを見ることができないと開発が結構大変です。 これらの出力を見るためには、別途コマンドラインを開いて
adb logcat
コマンドを実行すれば OK です。
プロジェクトのアンインストール
エミュレータからプロジェクトをアンインストールするには、以下のコマンド
ant uninstall
を実行します。
以上で開発に必要な最小限のツールの説明が終了。 ただ、Android SDK には他にもいろいろツールが同伴されているのであれこれ試してみるとよいかと思います。
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*1:拙者の環境がボロいだけだろうけど。