西尾維新『猫物語 (白) (講談社BOX)』を猫パーセント趣味で読んでみた。
第懇話 つばさタイガー。 委員長の中の委員長、羽川翼(はねかわつばさ)の、「第五話 つばさキャット」、「第禁話 つばさファミリー」に続く3つ目にして最後のエピソード。 新に魅入られた怪異は虎の怪異、苛虎(かこ)。 猫より断然強そう! 障り猫なんて目じゃない!? この巻にて、完璧なる委員長の、家族への思い、異性への思い、心中に潜む闇や矛盾に、決着がつく!!
ちなみにこの巻は、タイトルとは裏腹に前巻『猫物語 (黒) (講談社BOX)』とはほとんど無関係。 とは言っても障り猫は出てくるけどね。 他にも虎の怪異も出てくるし、スーパー羽川人なんかも出て来たり・・*1 なんか、段々と冒険活劇浪漫譚に移行していったり死相な感じも・・・しないでもない。
この巻が今までと最も違うところは、阿良々木暦(あららぎこよみ)がほとんど登場しないってところでしょう。 基本、名前ダケ。 いや、あれこれ行動している痕跡は間接的に伝わってくるんだけど、飽くまで間接的。 ってことで、語り部も阿良々木暦ではなく羽川翼! もしかして、今後刊行が予定されている続刊も、それぞれがそれぞれの語り部になってるんでしょうか。 つーか、なってて欲しい。
結構新鮮なのは、今まで阿良々木暦を通してしか関係が語られなかったキャラ達が直接やりとりをするところでしょう。 今巻は羽川翼が語り部なので、彼女と八九寺真宵(はちくじまよい)や神原駿河(かんばるするが)との会話が交わされてます。 まぁ、羽川翼は饒舌キャラでもツッコミキャラでもないので、阿良々木暦との会話の時のような「ザ・西尾維新」的な会話の応酬はありませんが、戦場ヶ原ひたぎ(せんじょうがはらひたぎ)とは友情芽生えて肌と肌が触れあうような接近(舌)戦を繰り広げてます。 ガールズトーク? ガールズジョーク? ガールズショー GOOD! その他、戦場ヶ原父や阿良々木家の両親も少し出てきます。
章割は、今までに比べて1章1章が短くなっている感じが・・・と思って、最後の章番号をチラ見すると、な、な、何と066章! 今まで20章も行ってなかったのに! 倍どころじゃねぇ! まぁ、読みやすいっちゃぁ、読みやすいけど。
後、読んでいて気になるのは、この話と平行して別の物語が進行していること。 羽川、戦場ヶ原、ファイヤーシスターズ以外の女性キャラと阿良々木暦は何か別の事件に巻き込まれている模様。 他にも怪異の専門家の新キャラもそっちのエピソード方面へ登場してるし。 まぁ当初、化物語の続編としては猫物語と傾物語が企画されていたようなので、同時並行のエピソードは次の傾物語(かぶきものがたり)の話でしょう。 もしかしたら花物語(はなものがたり)以下、続編も絡んでくるのかも知れないけど・・・それは後のお楽しみってコトで。
後、気になったことをいくつか。
「もやし」って「萌やし」って書くんだ。 知らんかった。
「役不足」の誤用は、「誤用って分かってるなら意味が通じてるんだからいいじゃん!」ってのは分からなくもない。 「役不足」を元々の意味で使ってるのか、「力不足」、「役者不足」*2の意味で(誤って)使ってるのかは大抵文脈で判断できるだろうからね。 でも、「役不足」の誤用なのか御用なのかややこしいときもあるかもしれないし、まぁ元々の意味でいいんじゃん?
007章で「キャスティングボード」と書いてあったのは「キャスティングボート」の単純な間違いでしょう(笑)
- 作者: 西尾維新,VOFAN
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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