西尾維新『サイコロジカル 上 (講談社文庫 に 32-4 西尾維新文庫)』『サイコロジカル 下 (講談社文庫 に 32-5 西尾維新文庫)』を読んでみた。
初っぱなから「戯言遣い」と兎吊木垓輔(うつりぎがいすけ)の対話から。 対話というより、兎吊木の一方的な攻めですけど。 さすがの「戯言殺し」。 ところで、この対話は本編のどこの時点で行われたものなんでしょうか? 普通に考えると(?)、一日目に兎吊木と話をしたときの最後なんでしょうか。 人を待たせておいて結構長々喋ってるので、ちょっと違和感。 まぁ、いいや。
この書籍のタイトル「サイコロジカル」は、本編ではいろいろなフレーズにその読みがあてられてます。 いくつか抜き出してみると「矛盾回路」、「矛盾逆説」、「無思想論理」、「非現実的」、「辻褄合わせ」、「こじつけ」、「牽強付会」、「狂った解決」、「絶悪論理」など。 大雑把に言って、「普通でない論理」みたいな感じでしょうか。 何が「普通でない」かは、それぞれの文脈によって微妙に違うため、いろいろなフレーズが用いられているんでしょう。
もう少し掘り下げて意味を考えている部分もあって、一日目の夜に戯言遣いと春日井春日(かすがいかすが)が話しているときに、サイコロジカルを「人生なんて、選べる道なんて精々6つくらい。 好き、嫌い、普通、愉快、不愉快、無感動だ」といった説明があります。 これは「サイコロジカル」を「サイコロ」+「ロジカル」と見なしているということなんでしょう。 この文脈では、「それら6つのうちのどれかを選ぶという以外に、どれも選ばない選択肢もある」というのが重要だって話ですが。 サイコロで言うなら、投げたときにどの目が出るかに加えて、「サイコロを振らない」選択肢もあるって感じの話でしょうか。 将棋で言うなら将棋盤をひっくり返すみたいな?
この巻のトリックは(本文にもありましたが)このシリーズの初巻『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)』と同じようなものでしたね。 そういえば、「クビキリサイクル」は「クビキリ」+「リサイクル」だったところからも、構想に類似性が見て取れますね。 ある種、自分の二番煎じみたいな。 言うなれば回帰論理。
石丸小唄(いしまるこうた)ちゃんはナカナカ魅力的なキャラですね。 相生拳法背狼拳とか使えそうだし。 人類最強並に身体能力やらいろいろな技能やらがありそう。 そういえば、零崎君、最近出番ないねぇ。
サイコロジカル 上 (講談社文庫 に 32-4 西尾維新文庫)
- 作者: 西尾維新
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サイコロジカル 下 (講談社文庫 に 32-5 西尾維新文庫)
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サイコロジカル(上) 兎吊木垓輔の戯言殺し (講談社ノベルス)
- 作者: 西尾維新,take
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目次
一日目(1) 正解の終わり
一日目(2) 罪と罰
一日目(3) 青い檻
一日目(4) 微笑と夜襲
二日目(1) 今更の始まり
二日目(2) 感染犯罪
二日目(3) 偽善者日記
二日目(4) 死願症
二日目(5) 首輪物語
二日目(6) たったひとつの冴えないやりかた
後日談 負け犬達の沈黙