『66年目の大討論! 同盟国にケンカを売って委員会? あの戦争とアメリカの責任を考える』
◇ゲスト
- アメリカ国務省元日本部長・アメリカ元沖縄総領事 ケビン・メア
- 戦略家・経営コンサルタント ジェームス・スキナー
- タレント セイン・カミュ
セイン・カミュさん、番組で見るの久しぶり。
パネルの朴一氏、日米の討論に「なぜ呼ばれているのか分からない」と言ってましたが、終わってみれば結構秀逸な人選でしたね。
アメリカの原爆投下は正しかった?正しくなかった?
パネラー | 正しかった or 正しくなかった | 答え |
---|---|---|
桂ざこば | 正しくなかった | 実験だったのでは? |
三宅久之 | 正しくなかった | 一般市民に対する無差別虐殺である |
武田邦彦 | 正しくなかった | 戦争は軍人同士の「ゲーム」でなければならない |
朴一 | 正しくなかった | 米国は「人道に対する罪」を背負った |
眞鍋かをり | 正しくなかった | 逆に正しかったという人はいるんですか |
村田晃嗣 | 正しかった 正しくなかった |
陸軍は戦争をやめるつもりはなかった |
勝谷誠彦 | 正しくなかった | ホロコースト |
宮崎哲弥 | 正しくなかった | 犯罪 |
ケビン・メア | 正しかった | 当時の状況ではやむを得なかった |
ジェームス・スキナー | 正しくなかった | 大量の民間人犠牲者が出るとわかっていながら・・・ |
セイン・カミュ | 正しかった | でも他の終結方法があったのでは? |
原爆投下を命じた大統領ハリー・S・トルーマンは
野獣のような残忍な人間を相手にしなければならない時は
こちらも野獣を扱うと思って事に当たらなくてはならない
と多くの一般国民を犠牲にしながらも「何ら良心の呵責を感じない」との立場を貫く。 歴代の大統領も、在任中は一貫して
「原爆投下は戦争を早くに終結させ100万人ものアメリカ兵の命を救った」
という立場を固持。 また、アメリカ国民の世論調査では
- 原爆投下は正しかった 61%
- 原爆投下は正しくなかった 22%
との結果が。 ただし、アイゼンハワー回顧録での
「日本はすでに打ち負かされており原爆投下は全く不必要だ」
といった見方も。
原爆投下の理由は?
- 対ソ連の外交的優位性を狙った?
- 意図的に行われた原爆人体実験だった?
ジェームス・スキナー氏の話にあった原爆投下地選定基準:
- 市街地である
- 広範囲にダメージを与える
- 他の兵器によるダメージがない
まぁ、核実験の側面があったということは文書として残っているので確かなことではありますね。
ただ、原爆投下がなかったら日本はいつまで(どこまで)戦争を続けてたのか?というのもナカナカ想像がつかないところ。 何処かの時点で敗戦を「決断」しなければならないハズだけど、それがいつになるのか・・・ しっかし、60年以上経っても「トップに決断力がない」ってのが言われ続けてるのが哀しいね*1。
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さて、歴史(特に戦争の)を見る上で問題になるのは、「そのときの判断が正しかったかどうか」をいつの価値観で評価すべきか?ということ。 『委員会』の視聴者で「自虐史観からの脱却」を計ろうとしている人にとっては、昔の判断は昔の価値観で評価すべきというのが当然のように思うけど、善悪に絶対の基準があると信じて疑わない人(大抵「正義」を振り回したるする)は、昔の判断をも現在の価値基準で評価すべしと思っているそうで。 最近のアメリカってそういう人が大勢を占めているとかいないとか・・・
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朴氏、「沖縄で大量の民間人を殺しても日本が降伏をしなかった。 なら、原爆を落としても降伏をしない可能性もあった。」・・・確かにそうだね。 まぁ、「戦争を終わらすため」というのは建前、もしくは後付の理由ってことでしょうかね。 原爆落とされたのは日本だけど、被害者が全て日本人と言うわけではない。 これはアメリカはおろか、日本も忘れがちな事実。 朴氏、「国と国ではなく、原爆を投下した者が被爆者に謝罪を。」
なんか、武田氏とスキナー氏が妙に激突してますねぇ。 途中に割って入った勝谷氏が一瞬マトモに見えたのはナゼでしょう? しっかし、武田氏の「アメリカやヨーロッパの人間が自分達を正当化するのによく使う論理」ってのも言わんとしてることはわかるけど、「もうこれ以上どうにもなんないネ〜」って感じ。 何というか、武田氏には欧米人が喋ってるのが犬が吠えてるのと同じように見えてんじゃないか?と疑ってしまうね。 まぁでも、勝谷氏の「戦勝国が核持って、他の国はもう持っちゃいけないよ〜って言って、誰が納得すんねん」って言うたとえ話は分かりやすかったけどね。
ところでメア氏、「60年前にやってしまった原爆投下の非難を続けててものキリがない」みたいなことを言ってましたが、別にキリがないことだとは思いませんねぇ。 例えば、アメリカが国益を度外視して核兵器を全廃すれば、原爆投下についてどうこう言う日本人はほとんどいなくなると思うヨ*2。 んまぁ、そんなことは天地がひっくり返ってもやらないだろうから、「原爆投下」の議論は延々と続いていくんでしょう。 中国や韓国が日本に戦争責任を追及するみたいに(これこそキリがない)。
人類は核を廃絶できる廃絶できない
パネラー | 廃絶できる or 廃絶できない | 答え |
---|---|---|
桂ざこば | 廃絶できる | 代わりの物が出てくる |
三宅久之 | 廃絶できない | 核爆弾製造技術が公知のものである |
武田邦彦 | 廃絶できる | 日本が非核国を糾合し国際社会で存在感を示す |
朴一 | 廃絶できない | 努力すべき |
眞鍋かをり | 廃絶できる | 核が脅威にならない時代がくるかも |
村田晃嗣 | 廃絶できる | 時間がかかるし効果は怪しい |
勝谷誠彦 | 廃絶できない | チャカ |
宮崎哲弥 | 廃絶できる 廃絶できない |
「極めて困難」絶対できないということはない |
ケビン・メア | 廃絶できる | 大変な時間がかかる |
ジェームス・スキナー | 廃絶できる | 人類には無限の可能性がある |
セイン・カミュ | 廃絶できない | コストパフォーマンスが高いので! |
中国鉄道事故、結局のところ原因は明らかになったような、なってないようなところですが、あんな国に核持たせてたらイカンね。
日本に“自虐史観”が生まれたことについてアメリカにも責任がある?
パネラー | 責任アリ or 責任ナシ | 答え |
---|---|---|
桂ざこば | 責任ナシ | 日本人の性質と日本の教育 |
三宅久之 | 責任アリ | GHQ はラジオで日本の球団をさせた |
武田邦彦 | 責任ナシ | 日本民族はアメリカ民族より優れている |
朴一 | 責任アリ | アメリカの占領政策によって「日本反省論」が普及した |
眞鍋かをり | 責任アリ | 日本人は真面目だから! |
村田晃嗣 | 責任アリ | 戦後民主主義を否定するのも自虐ではないのか |
勝谷誠彦 | 責任アリ | 公職追放 |
宮崎哲弥 | 責任アリ | 占領下の言論統制 |
ケビン・メア | 責任ナシ | そこまでは責任が持てない |
ジェームス・スキナー | 責任ナシ | 反省は自虐ではない |
セイン・カミュ | 責任アリ | 反社会分子を押さえるような教育は× |
パル判事(インド代表)
裁判の方向性が予め決定づけられており
判決ありきの茶番劇である
- 被告の全員無罪を主張
- 「南京事件」 検察側の証言・証拠に強い疑問
アメリカによる原爆投下こそが
国家による非戦闘員の生命財産の無差別破壊として
ナチスによるホロコーストに比せる
唯一のものである
日本が行った戦争は「侵略戦争」だったのかについて、裁判所の設置を命令したマッカーサー司令官自身が
資源の乏しかった日本が輸入規制等により包囲され
何千、何百万という国民が
失業に陥ることを怖れて行った
“安全保障”であった
と証言。
アメリカでは教科書に
アメリカが世界的大国へと成熟する上で戦争が決定的な転換点となった
と記されている。
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日本国憲法を改正すべき?改正すべきではない?
パネラー | 改正すべき or 改正すべきではない | 答え |
---|---|---|
桂ざこば | 改正すべき | 時代によって見直すべき |
三宅久之 | 改正すべき | 講和条約発行時に憲法を破棄すべきであった |
武田邦彦 | 改正すべき | 日本人が100%の考えで憲法を作るべき |
朴一 | 改正すべきではない | 改正するふりだけでよい |
眞鍋かをり | 改正すべきではない | 「戦争に参加しない」という言い訳ができない |
村田晃嗣 | 改正すべき | 当然改憲 |
勝谷誠彦 | 改正すべき | 世界の愚劣遺産 |
宮崎哲弥 | 改正すべき | 憲法とはその国民によって起草されるべし |
ケビン・メア | 改正すべき | 日本人自身が決めるべき |
ジェームス・スキナー | 改正すべきではない | 第9条の採択を全世界に求めるべき |
セイン・カミュ | 改正すべき | 文化を○○○を基に日本独自のものに・・・ |
中学生・高校生が憲法9条と自衛隊を見てどう思うのか・・・何気に日本人の根っこの所を腐らせている気もする。
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