海堂尊『ジーン・ワルツ (新潮文庫)』読了。
「代理母出産」と「地方医療」(特に産婦人科)に関する現実の社会問題を小説にしたセミ・ノンフィクション的作品。
出産時の希有な症例で死亡した妊婦の治療にあたった産婦人科医が、メディアの前で逮捕されるという、現実にあった事件を題材にしたこの著者の作品([『極北クレイマー』かな?)とある程度の関連(登場人物の)を持って書かれてます。 医療的焦点は同じようなモノでありつつも、少しずらされているような感じかな。
最後の辺りの展開は「ムム?」と思うようなところもありましたが、(この著者の他の作品でもそうであるように)現実の社会問題の問題点に関して、著者の考えが登場人物のセリフによって余すところ無く語られております。 むしろ、それができるようにストーリーや登場人物を構成していると言ってもいいんでしょうけど。 そこいらの評論よりも、ストーリーがある分、実感に近い感じで問題が理解できるかと。
この作品では、白鳥・田口コンビはもちろん、氷姫なんかも登場しません・・・ つーか、出版社自体が違ってるね。
- 作者: 海堂尊
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2010/06/29
- メディア: 文庫
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