ピタゴラス・ソクラテスなどからヘーゲル・マルクスあたりまでの哲学の系譜を辿った書籍。 普通、哲学というとニーチェやフロイト・ユングまで含めますが、この書籍では扱われていません。
近代哲学の完成形とも言われるヘーゲルまでで概ね内容が終わっているのは、ヘーゲル以降では真理を個人の外(社会)へと求めていくためのようです。 確かに“哲学っぽい哲学”はヘーゲルまでで、その後は社会学や心理学っぽくなっていくので、これはこれで一理ある構成だと思います。
『哲学史』という題名が付いていますが、哲学者の系譜というより哲学で扱われる概念の系譜みたいな感じがして、哲学者とその大まかな思想を羅列している様な書籍に比べると興味深く読めました。
下巻はデカルトから始まるので、近代の哲学(古代ではなく)にのみ興味がある場合は下巻だけ読んでもよいかもしれませんが、下巻でチョクチョク上巻を参照しているところがあるので、上巻も読んでおく方が無難かと。