ムーブ！ 7.5

ムーブ木曜日の激突！ナマ激論。　今回のテーマは久間発言。　久間氏を始め、昭和天皇陛下のお言葉なども取り上げているので、メモっとこう。

以下、O は大谷昭宏氏、M は宮崎哲弥氏、H な橋下徹氏の発言です（MC は堀江アナ or 関根アナ）。
ただし、ここに載っている内容は放送を完全に再現するものではありません。

イントロダクション

一瞬にして数万人の命を消し去った、アメリカの原爆投下
久間氏がそれをしょうがなかったと発言し、辞任した

国民は久間発言に猛烈な批判を浴びせたが、
その一方で、我々はアメリカの“核の傘”原爆に護られている

戦後、日本は原爆投下の意味をどう考えてきたのか―
日本の“原爆歴史観”を今、改めて問う

まずは

久間発言に対する宮崎哲弥氏の見解*1

“原爆投下はしようがない”という考えは、かつて日本の常識だった。
久間氏は、原爆投下と日米安保体制を両立させるための典型的な考えを示したに過ぎない。

M

私が学校で教師から教わったのはこの歴史観です（宮崎氏は1962年生まれ）。　本当は少し違って、「日本がアジア諸国に対して侵略行為を行って大変な惨害を与えたことに対する当然の報いで、しかもポツダム宣言の受諾が遅れた不手際もあって、これは日本民族として受け入れなければならないこと」だと教わった。

久間発言など

MC

まず、久間発言から見ていきましょう。

久間前防衛大臣の“発言”（先月30日・講演）

（戦争が）8月15日に終わったから北海道は（ソ連に）占領されずに済んだ。
　（中略）
私はその点は、原爆が落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目に
あったが、“あれで戦争が終わったんだ”という頭の整理で今、
“しょうがないな”という風に思っている。
アメリカを恨むつもりはないが“勝ち戦ということがわかっていながら
原爆まで使う必要があったのか”という思いは今でもしている。
国際情勢とか、占領状態などからいくとそういうこと（原爆投下）も
選択肢としてはありうるのかな。

MC

ソ連の侵攻を防いだという意味で、原爆の投下を肯定しているともとれるわけですが・・・　原爆投下に対して、ある人物も容認するようなご発言をなさっています。

昭和天皇・裕仁様のご発言（1975年10月・訪米後の記者会見）

原爆投下は遺憾であり広島市民には気の毒だが
戦争中のことでありやむを得ないことと思っています

激論　其ノ壱

MC

こういう考え方が、ある意味常識としてあったわけですか。

M

昭和天皇から左翼のかなりの部分（日教組の教師からリベラルな人まで含めて）がこういう考え方を受諾していた。

O

私は受容してませんね（M:私も受容してませんよ）。　我々はそういう教育は受けてきていません。　広島の原爆碑にある「安らかにお眠り下さい。　過ちは繰り返しませんから。」ということに対して、主語は？と戦後ずっと言われ続けているわけですよ。　過ちを犯したのは誰なんだと。　過ちを犯したのはアメリカだろと。　だったらアメリカに謝罪を求めるべきだろと。　謝罪を求めるべきだという声も、ずっとあったことは事実なんですよ。　だけど問題は、ソ連が北海道を占領したかもしれいが、それによって国土をとられたかも知れない。　だが命は国民だ。　当時の為政者はどっちだったんだと*2。

H

僕も戦争はやっちゃいけないと思うし、いまの通常の状態で核兵器を使うなんて絶対やっちゃいけないと思いますが、これは現在の基準で評価することじゃないですか。　でも、歴史の評価をするときには、当時はどうだったかということを考えないといけない。　日本の開戦も原爆投下も歴史の流れの中で行われたことで。　ただ、政治家の終戦の判断が遅れたのが（原爆投下の）原因なので、現役の政治家の久間氏がこういう発言をするのが許せない。

97年の長崎平和研究所の調査

「アメリカの原爆投下をどう思うか？」という質問に対して、「日本も酷いことをしたから仕方ない」「終戦を早めるためにやむを得なかった」と答えた人の割合（長崎在住者1046人中）

成人	中学生	高校生	大学生
15%	26.6%	45%	46%

M

このころ（97年）がこういう考え方のピークなんですよ。　2005年に広島で行われた調査（中国新聞）では、25%程度だったんです。　要は「核が絶対悪である」という考え方は（比較的）新しいんですよ。　97年頃は半数ぐらいが「しょうがない」史観だった。　学校でもこういう風に教わったんですよ。

O

「しょうがない」というのは、一部のへんちくりんな左翼が、日本が侵略戦争をやった報いだということで、ニッテイ・ベイテイ（？）の考え方の中でやってきたんですよ。

M

両方の考えがかなり浸透していたのは間違いないんですよ。

原爆投下　世界はどのように考えているのか

核不拡散問題特使　ロバート・ジョセフ氏の発言

原爆の使用が終戦をもたらし
連合国側の数十万人の命だけでなく
何百万人の日本人の命を救った点で、
ほとんどの歴史家の見解は一致する。

これに対する阿倍総理の発言

原爆投下は許すことはできないとの気持ちに変わりはない

アメリカ大統領の広島訪問について―

外交はさまざまな観点から進めなければならない・・・。

激論　其ノ弐

M

このジョセフが発言した内容は、アメリカのほとんど大部分の人間がそう思っていると考えて間違いありません。　さらに言うなら、中国や韓国も「我々を蹂躙した当然の報いだ」と思っています。

O

だからね、さっきの話の主語は？の答えは、「人類は」なんですよ。　日本の国民の生命・財産を護るってのが、閣僚の最大の意味があることでしょう。　広島・長崎市民の前でそんなこと（久間発言）を言えるのか！

MC

世界は久間発言をどうとらえてるんですか？

M

日本では久間氏がアメリカを擁護しているように捕らえられているが、アメリカは、それが久間の本意だったに違いないとみている。

H

久間さんがこれをしょうがないというなら、日本が開戦した行為もしょうがないと言ってくれればいいんですけど。　でも、開戦行為については全国民はダメだって言うんでしょ。　それだったら原爆だってダメですよ。　日本の開戦行為が間違っているって言うんなら、アメリカの原爆こそとんでもない行為ですよ。

MC

久間発言で、この先、アメリカの責任をどう追求するんだと日本人が気づいてしまった、ということですか？

M

久間発言を批判するなら、アメリカに原爆投下への謝罪を（日本政府として公式に）要求すべき！

今月2日の党首討論にて

民主党　小沢代表の発言

原爆投下についてアメリカに謝罪を要求すべき！

それに対する安倍総理の発言

北朝鮮に核兵器を使わせないために
アメリカの核抑止力を日本は必要としている！

激論　其ノ参

H

アメリカに謝罪を要求した場合は、ものすごい摩擦が生じるということを我々は考えなければならない。　日本が本当に唯一の被爆国として核兵器の廃絶を、国是として掲げるのなら、これは絶対にやらなければならない。

MC

でも、日本はアメリカの核の傘に護られているんですよね。

O

だったら、シベリア抑留に関して、日本政府は旧ソ連に対して謝罪を要求しましたか？

M

いえ、してないと思います。

O

あれこそ、国際法上絶対許されないことでしょ。　原爆を言うんであれば、

H

アメリカに対してもロシアに対しても、それも全部言っていかなければいけないんですよ。　でも、なぜ言えないかというと、核の傘に護られているからですよ。

M

でも、現状で核の傘に護られているとしても、過去の軍事国際法違反に対して謝罪を要求するのは可能なんですよ。

H

でも、護ってやらないっていわれたら終わりじゃないですか。

MC

久間さんがやめただけでは済まない話。

M

本当は済まない話だけど、選挙前ってことでやめたの。　だから、久間をやめさせるべきじゃなかった。　議論を深めて、久間に責任をとらせるというのが重要だったと思うんですよ。

O

選挙の前だろうと後だろうと、おかしなこと言ったのは間違いないんですよ。

H

じゃあ大谷さんは、アメリカにもロシアにも謝罪を要求すべきだと？

O

当たり前だよ。　原爆落とされて黙ってるなんてありえないでしょ。

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*1:以下、発言内の太字は番組内で太字・赤字等で強調されていた部分です。

*2:国土と国民の命のどっちが大事だと思っていたのか？ということかなぁ・・・