『無限論の教室 (講談社現代新書)』読了。
まぁ、これも1つの青春かな、という感じのストーリーに乗せて、無限論の流れを追っていくお話。 結構読みやすかったです。
タジマ先生は「可能無限派」だとのことでしたが、その割には、後半は「実無限派」の話が多かったような・・・ イマイチ「可能無限」というのが分かったような、分からないような・・・ デデキントの切断みたいな話なのかな?
「偶数と自然数は濃度が同じ」ってことを、「1対1写像があれば濃度が同じと定義する」ってことに言及して丁寧に説明しているのは、あまり他の書籍では見かけないところかな。 「集合の包含関係として、自然数は偶数を含んでいる」ので、「自然数は偶数より大きい集合」と感じるのも別におかしいことではなく、単に「濃度が等しい = 1対1写像がある」と言葉を定義しているだけなんですね*1。
この本で扱っている「無限」の話では、「対角線論法」ってのを多用しますが、無限系列に対して対角線論法を使っても大丈夫なんだろうか?とふと疑問に*2。 というのは、(「第5週」に話に出てきた)「0.99999・・・は1.00000・・・に等しくなる」という事実を踏まえて「対角線論法」を再考してみると、「対角線の要素を取り出し、各位(各位置)の値を反転(否定)して作った要素は、もともとの集合の中に含まれていない」とは限らなくなる可能性があるように思えるからです・・・ 書いてる意味わかる? なんか、自分で何書きたいのか分かんなくなってきたので、考え保留。
- 作者: 野矢茂樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/09/18
- メディア: 新書
- 購入: 24人 クリック: 198回
- この商品を含むブログ (160件) を見る