倭マン's BLOG

くだらない日々の日記書いてます。 たまにプログラミング関連の記事書いてます。 書いてます。

井上薫著

井上薫著『裁判官が見た光市母子殺害事件―天網恢恢 疎にして逃さず』読了。

著者、理系出身の裁判官ということと、「そこまで言って委員会」にしばしば登場してらっしゃるということでチョクチョク著書を読んでますが、この著者の書籍は司法関係の書籍にしては比較的読みやすいんではないでしょうか(少なくとも理系の人間には)。

この書籍では「判決文」なども(全文ではありませんが)引用してあり、かつ解説も加えてくれてあるので、法律関係の文書をあまり読んだことない拙者でも、少しそういった文書になじみが出来た感があります(ホントに少し)。

ところで、元少年の(反省していない証拠として出てきた)謝罪の手紙や新弁護団の対応などを書いた箇所で、著者本人が「常識的に考えて」云々と言っているところがありましたが、「そこまで言って委員会」などでご本人を観た限りでは、あまりこの人に「常識」を求めるのもどうかと(笑) 結構「奇人変人」の類な気が。 常識的だからこそ法曹界で「奇人変人」扱いされていたのかも知れませんが。

この本の全般を通して「永山基準」というのが重要な位置を占めています。 この「永山基準」に対して少し疑問が。 この書籍に引用されている「永山基準」の文書を読んでみても、この基準がギリギリ死刑の基準であるようには、イマイチ読み取れないんですけど・・・ 「永山基準」は「死刑判決」の充分条件ではあるだろうけど、必要条件であるとは必ずしも言えないのでは? 「4人殺すと死刑」というのは示されていますが、「3人以下では死刑にならない」何てことは書いてない。 まぁ、今までの運用でそう扱われていたということなんでしょうけど。

本村洋さんの意見陳述」は活字にして読むと考え込まされるというか、自分が同じような立場になって同じようなことを言ったり書いたりすることができるのか、その前に思ったり考えたりすることができるのか全く自信なし。