実装 -- IterativeSimulator

前回までで OPS フレームワークの API 仕様の概要ができたので、今回から実際の実装を考えてみましょう。　基本的にフレームワークは「処理の流れ」を知っていれば実装を余り気にする必要はありませんが。

今回は IterativeSimulator の実装、DefaultIterativeSimulator です。

DefaultIterativeSimulator

IterativeSimulator は「反復シミュレーション」を表すインターフェースです。　IterativeSimulator#simulate() メソッドを実行することによってシミュレーションの実行を開始します。

属性

IterativeSimulator の基本的な属性*1は以下の3つです：

属性名	型
physicalSystem	org.waman.ops.simulation.PhysicalSystem
initParams	java.util.Properties
iteration	org.waman.ops.simulation.Iteraion

メソッド

IterativeSimulator のメソッドで重要なのは simulate() メソッドです。　このメソッドの中では、

1. 物理系の初期化
2. 反復の実行

を行います。

実装

public class DefaultIterativeSimulator 
        implements IterativeSimulator{

    private PhysicalSystem system;
    private Properties initParams = new Properties();
    private Iteration iteration;

    // 各属性へのアクセッサ・メソッド

    public void simulate() throws SimulationException {
        // 1. 物理系の初期化
        this.system.initialize(this.initParams);

        // 2. 反復の実行
        this.iteration.iterate(this.system);
    }
}

計算物理学入門

*1:Java オブジェクトを Java bean と見たときのプロパティ。　OPS フレームワークではこれを XML の属性で設定するので「属性 (attribute)」と呼んで、「プロパティ (property)」は別の意味で使います。　OPS フレームワークでの「プロパティ」は、Ant の「プロパティ」と同じようにシミュレーション設計図などで設定できる属性と同じような意味です。